本当の幸せを求めて

若いころは、つまらない事で悩んだり、くよくよしたりするものです。
「もう少し鼻のカタチがよかったらなあ。」
とか、
「なんで自分のうちは借家なんだろう、自分の部屋があったらなあ。」
とか、
「芸能人みたいなスポーツカーに乗りたいけどなあ。」
などと、今考えるととるに足らないような事ばかりが気になって、大切な事は何かなんて考えられなかった時代でした。いまもさほど変わったと思いませんが、若いころよりは、経験も積み、苦労もすこしして、家庭を持って、子育てをし、ちょっとは成長したと思えます。

10代の頃はエネルギーの使い方がわからず、いつもフラストレーションがたまっていました。とはいっても、自分の周りの友だちよりはずっと落ち着いて思慮にのある人間に見えたかもしれませんが、実際は、欲求不満と葛藤で、自分に嫌気がさすような状況でしたね。

欲求不満の解消について、いろいろな本を読みあさりました。そのなかでも一番ためになったのは、大学に入れずに浪人していた頃に勉強した「倫理・社会」でした。

古くはギリシャ、ローマの哲学者から、中国、日本のものまで、浅くですが網羅されていて、ソクラテスは、なぜポリス(警察ではありません)から逃げずに、毒杯を仰いだかとか、クサンチッペ(ソクラテスの細君)の逸話とかを楽しんで読んだりしました。

ソクラテス


ギリシャの何とかいう学者が、奥さんに「そんなそんな一文にもならないことばかりして、、、。」と文句を言われ、いつも調べていた星の動きから、翌年の豊作を予知し、収穫に必要な器具をあらかじめたくさんかりておき、収穫の時にこれを高い値段で、人々に貸し付けて、奥さんを見返したという話。

哲学者カントは、時間に厳格な人で、毎日同じ時刻に散歩をしていたため、町の人はカントを見て時刻を知ることができた、なんていう話も面白かった。

ただ、この話には、オチがあって、ある日いつも通りの時刻にカントが散歩をしていなかったことを町の人たちがいぶかしく思ったところ、しばらくしてカントが散歩をする姿を見かけたので、おくれた訳を聞いてみると、
「読書に夢中になって、時間を忘れたのだ。」
という答えが返ってきた。その読んでいた本というのが、ルソーの「エミール」だったそうだ。

「エミール」は教育に関する本なので、教育学部の学生はみんな読んでるよね?と思うけど、今の学生は、好きな人以外あまり本を読まないんじゃないかな。岩波文庫で上・中・下の3冊。一冊が1㎝以上の厚さがあるから、読み終えるのも大変だ。
きっと、カントも苦労したんじゃないかな。

アインシュタインと物理学会の面々


欲求不満の対応にはいくつかのカタチがあって、最も好ましいのは「昇華(しょうか)
失恋した悲しさを、スポーツや勉学に向けて、エネルギーをそちらに注ぐなどの欲求不満解消策だけれども、悔しくてなかなかこの方向に向かえないのが人間であります。

むしろ、「自分をフッたあのひとは、きっと性格が最低の女なんだ。うまくいかなくてよかったよ。」
などと、自分の都合のいいようにごまかす「合理化」の方が人間的な解消法ではないかと思います。

でもまだ人の迷惑にならないような欲求不満解消方法だから好ましい方だと思いますよ。自傷行為や、薬物依存、過食や暴力に走ったら周りの人がひどく迷惑しますから。

この年になると、若い人たちの稚気がかわいらしく感じられます。

家庭教師にでもなって、いい方向に導きたいとも考えます。特に、家に財産があるご子息などは、お金の力で何でもできると思いがちですし、たまたま先祖や親が経済的に恵まれていたり成功したということだけで、その子どもには、まだなんの価値もありませんから、間違った価値観や横柄な態度、コツコツ働く人を見下したりすることは慎むように教育が必要です。

知り合いにも、こういう息子がいます。
一人息子なのでかわいいのでしょうが、クルマをぶつけて全損したらまたすぐに買ってもらえるような家です。

修行に出したり海外へ放浪でもさせればいいのに、いえにいて、無駄な日々を送っていそうです。

詳しくは知り得ませんが、お金があるなら、もっとモノではなく経験に投資しないと、もったいないです。素晴らしい人と出会い、意見をたたかわせて自分を質的に向上させないと、、、。苦労もさせないとね。

ソクラテスみたいに話をして、自分の間違いや未熟さに気づかせるしごとも、これからはけっこうニーズがあるかもしれませんね。

自分の容姿などは、遺伝で決まっていますから、なかなか変えていくのは難しいと思います。

若いころは、中身をどうするということには気づかず、いい服を着たり、流行りの髪形にしたり、新しくできた店に行ったりして、自分を自分以上に良く見せようとします。

これも、通る道なので、しかたがありませんが、全く興味がなく、服飾などには気を使わない若者よりはいいと思います。全く知らないより、知っている方が後々の助けになるかもしれません。

若い人がいい服を着て颯爽と歩くのは、確かに見ていてかっこいいですが、中身が伴わないと、本物感が出てきません。

自分が目指すのは「三国」さんです。三国といっても料理人の三国さんではなくて、「三國連太朗」です。

年をとってからなおいっそう渋さが増して、この人の前では恥ずかしくて、タバコを吸うのも気が引けてしまいそうです。

外国の俳優ではジェームズ・スチュアートですね。三国さんよりも、知的な魅力を感じます。

この俳優も大好きです ジェームス ステュワート

本当の幸せは、もう身近にある気がします。

まだまだほしいものはたくさんあるし、やりたい事も山ほどある。でも、毎日をリラックスして、気に入った人たちと暮らしているから、幸せなんだろうなあ。いまどうしても必要なものも、よくかんがえてみると、ない。

どうしても行かなくてはならないところも、ない。

これって結構つまらないものですね。
欲しいものを買った後のような感じです。

ほしくて仕方なかったものを買って、嬉しくて、そのあとの感じです。

もうあまり要らなくなっちゃうような、つまらなさににていますね。

年をとったのかな。

本当の幸せを求めて” に対して1件のコメントがあります。

  1. BLACK EYE より:

    …アルプスの少女ハイジという物語があって、その物語ではハイジの成長の記録をアニメーションでやってたっけ。

    …初期に物事を知らないハイジを観たオンジは「この子は…でも、愚かでは無い」と見抜き育てる事を選んだ…オンジも確か、軍人上がりでしたっけ?…オンジはパイプの似合うダンディー(笑)…なにかしら濃い人ですね。

    物語はハイジの成長の記録…と見せながら、実はハイジに関わった「オトナ」と称する人達がハイジの美しく優しい心に感化され、真の「大人」に成っていく人々の成長の記録だったんだと、いい大人に成ってからわかった。

    優しさとは人を甘えさせる事では無い。

    生きる為に力強く応援し、自らも皆の為にその様になる為に生きる事だと。

    …とかなんとか。

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