片岡義男の世界

40年以上前から、片岡義男の小説が好きだった。


ストーリーは似通っていて、たいてい男女が出てきて、別れるとか付き合うとか、そんな話である。

登場するクルマが、またいい。絶対に軽自動車のようなクルマは出てこない。
出てくるのはお洒落なフランスのクルマとか、彼がイタリアのクルマに乗っているとか、そんなシチュエーションで、おしゃれなクルマが登場するのが常。
ボルボのステーションワゴンなんかも出ていたかな?
その時代はもちろん240のステーションワゴンだろうけど。

このへんは、わたせせいぞうのマンガ「ハートカクテル」にもちょっと似ている。

バイクもしょっちゅう登場して、たいていは旅の途中だったりする。そこでまた男女が出会ったり、分かれたり、せつないシーンも多い。

出てくるバイクも、原付のスクーターは登場しない。指導にコツのいるSR500(400でないところがまた、ニヤリとさせるところ)とか、古いBMWとか、、、。

出てくる飲み物やタバコも、当時としてはカッコよく見えた。フランスの水色のパッケージのタバコが登場したら、それを手にしたくなるし、ラクダのタバコが出てきたら、どんなものかと、吸ってみたりした。(自分はカッコばかり気にしていた男だったから)

ただ、ストーリーはどんなだったか、なかなか思い出せない。
たくさん読んだといっても、たかだか20~30冊だから、思い出せないはずがないんだけれども、小説のタイトルを言われても、中身は思い出せない。
ぼやっと、「ああいいなあ。」という感じだけが残る。そこがまたいい。

唯一、記憶に残っている話がある。
題名は覚えていないが、ネットで調べてもなかなか見つからなかったから、調べるのをやめてしまった。冒頭のシーンは、

主人公がオートバイで走っていると、対向車線からまた、バイクが走ってくる。
すれ違った瞬間、突然対向車が転倒してしまう。
主人公は、その人をすぐさま助けに行く。転倒した人は、なんと女性だった。

ふたりは、それがきっかけで、意気投合し、いい仲になる。
そして、
ピロートークの最中、なぜあの時、彼女が急に転倒したかを問いかける、、、。

この後はヒ・ミ・ツ
よんでみたくなったでしょう?
彼女がなぜ転倒したのか、知りたくなったでしょう?
いい仲にならないと教えてもらえないような理由なんだよ。

片岡義男.COMで読めますよ

片岡義男.com で結構たくさんの作品を読むことができます。
本屋さんにっても、片岡義男の作品はほとんど棚にありません。
中古の本屋さんにはかろうじて何冊か置いてあることもありますが、最近はほとんど見なくなりました。
電子化の真っ最中で、いま懸命に取り組んでいるようです。

エッセイも非常に面白いです。ヘイルメリーマガジン?だったかな?こんな名前の雑誌にエッセイを書いていると思います。
片岡さんは1939年の生まれだからもう80歳を超えています。

前述のわたせせいぞうの作品も非常に好きでした。漫画も何冊か持っていますが、どれもすてきです。出てくる女性が何とも素敵。興味を持たれた方は、ぜひ手にしてみてください。

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