童謡っていいな

近くの村営温泉で、懐かしい曲が流れています。
童謡「緑のそよ風」でした。
緑のそよ風
緑のそよ風いい日だね
ちょうちょもひらひら
豆の花
七色畑に妹の
つまみ菜摘む手が
かわいいな
八・五調の明るい詩です。作者は清水桂。
ほかにも「雀の学校」や「叱られて」「靴が鳴る」などがありました。
どの詩もリズムが整っていて気持ちの良いテンポです。昔の人の詩はいいですなあ。

小さいころ大人に歌ってもらった歌は、落ち着く歌ばかりでした。
うちは貧しかったけど、安物のレコードプレーヤーがあって、ペラペラですぐに折れたりしてしまうソノシートの童謡全集がありました。
真っ赤なそのソノシートは、今ではどこにあるのでしょうか。
母が持っていてくれたらうれしいのですが何度も引っ越ししたために、もうないかな。
自分の好きな童謡を選んでみました。
どれもゆったりしたテンポで郷愁を誘います。
里の秋
「里の秋」
作詞:齋藤信夫
作曲:海沼實
しずかなしずかな 里の秋
おせどに木の実の 落ちる夜は
ああ 母さんとただ二人
栗の実 煮てます いろりばた
作詞の齋藤信夫は、終戦前は、教師でしたが、戦争に加担した自責の念から教職をやめようと思っていたところ、海沼実さんが齋藤信夫さんの詩を見つけて、菓子を変更する許諾を貰って完成した童謡です。
三番は、引き揚げてくる父さんのことが歌われています。
お背戸(おせど)とは、裏庭のことです。
あったかい囲炉裏で煮えていく栗の実はおいしいんでしょうね。
寂しさと暖かさが混在して、魅力のある曲になっていると思います。

朧月夜
「朧月夜」
作詞:高野辰之
作曲:岡野貞一
菜の花 畑に 入日 薄れ
見渡す 山の端 霞 深し
春風 そよふく 空を 見れば
夕月 かかりて におひ 淡し
作詞の高野真一は長野県豊田村(現在の中野市)の生まれ。飯山市で小学校の教師をしていた。
この詩は、4-4-3-3のリズムで繰り返され、一行目二行目は、視覚による描写、三行目は体感・聴覚による描写、四行目は結びになっていて、起承転結をなしています。
三拍子のリズムも心地よく、三拍めから始まる弱起の曲です
かあさんのうた
「かあさんのうた」
作詞:窪田聡
作曲:窪田聡
母さんが よなべをして
手袋編んでくれた
木枯らしふいちゃ
つめたかろうと
せっせと編んだだよ
ふるさとの便りは届く
囲炉裏の匂いがした
わたしの父がごきげんな時によく歌っていました。
父は母親がいなかったため、恋しかったのかなと思います。

かもめの水兵さん
「かもめの水兵さん」
作詞:武内俊子
作曲:河村光陽
かもめの水兵さん
並んだ水兵さん
白いほうし 白いシャツ
白い服
波にチャプチャプ浮かんでる

小さい秋見つけた
「小さい秋見つけた」
作詞:サトウハチロー
作曲:中田喜直
誰かさんが誰かさんが誰かさんが
見つけた
小さい秋小さい秋小さい秋
見つけた
目かくし鬼さん 手のなる方へ
澄ましたお耳に かすかにしみた
呼んでる口笛 もずの声
小さい秋小さい秋小さい秋
見つけた
さすが中田喜直。
特に前奏が素晴らしく、一気に引き込まれます。だいたいいい歌というものは、前奏が最高にいい歌であることが多いんです。「飛んで行ったバナナ」も「おもちゃのチャチャチャ」もそうです。
自分の好きな曲は、どの曲もたいてい前奏がいい曲です。
この曲を鍵盤ハーモニカで吹くのが好きです。
ハーモニカはうまくないから。

花
「花」
作詞:武島羽衣
作曲:滝廉太郎
春のうららの 隅田川
上り下りの 船人が
櫂のしずくも 花と散る
ながめを何に たとうべき
この曲を聴くととてもすがすがしい気持ちになります。
のんびりしているようで、曲にスピード感がありますね。
二番三番の詩もいいんですよ。
朝昼晩の隅田川の情景を映した歌詞です。
ちょっと、童謡の歌詞でも書いてみようかな。
なんて思いました。
子どもの曲だからといって、簡単というわけにはいかないと思います。
自分の曲が百年も残ったら、いいだろうなあ。
最近はめっきり童謡を聞く機会減りましたね…そういえば。
「名も知らぬ 遠き島より
流れ寄る 椰子の実 ひとつ」
…なんだかお盆っぼいすね(笑)
藤村先生、オッスオッス!