森は昆虫の楽園

奥山は昆虫の楽園である。
これまでに見たこともないような虫が、たくさんいる。なかでも、自分の一番のお気に入りは甲虫で、捕まえては小瓶に入れて、冷凍庫にしまってある。あとで、足をきちんとそろえて(展翅して)標本にしようと思っている。家族からは、気持ち悪がられている。食べ物を入れる冷蔵庫に虫の死骸を入れるんだからね。

虫が苦手な人には、理解できないかもしれないが、鉄道でもアニメでも、骨董でも同じで、その道の人にしかわからない奥深い楽しみがあるのだと思う。
昆虫の種類は多いから、新種を見つければ、自分の名前が付いたりする事もありそうだし、何よりも色が豊富で、デザインも素晴らしいのが昆虫であるから、魅かれるね。

チョウやガの部類は、あまり興味がなく、見つけても調べたりしないし、図鑑も持っていない。チョウやガ以外の昆虫図鑑は持っているので、捕まえたら即、調べる。
学生の頃、昆虫の行動学に興味があって、その道もイイなと思ったことがある。よく考えてみると、飯が食えないからやめた。昆虫の写真家にも憧れた時期があったね。好きな事を仕事にできたら、しあわせだから、稼ぎなんて二の次なのかもしれない。
爬虫類を追いかけている学者が、テレビに出ているけど、捕まえたときには本当に嬉しそうな表情をしてて、好感が持てる。ただの生き物好き少年がそのまま大人になったみたいで、すごくいい。

昆虫の標本なんて、虫の死体を並べる趣味の悪い行為だが、人間を捕まえるような生物がいたら、人間もいろいろな人種をあつめられて、腐らないように加工されて頭だけを、壁に飾られるんだろう。ちょうど、鹿のはく製のように。

昆虫の中で一番興味があるのは、甲虫だけれども、そのなかでも、カミキリムシが大好きで、触覚と脚の節の感じが堪らない。
クワガタムシも時々、訪問してくるが、やっぱりカミキリの色香には、かないませんね。
ゾウムシもあのカタチが好きで、偏愛中ですが、小さすぎるのが難点。
オオゾウムシでさえ2㎝くらいだから、愛でるには小さすぎる。
山に移り住んでから、初めて見てうれしかったのがオトシブミのゆりかごでした。そこらじゅうにたくさん落ちていたので、びっくりしましたが、今年もまたたくさんのゆりかごを作ってくれるのでしょう。

…昆虫達の営みが人間の生活を左右しているとは過言では無いと思います。
…人知れず、凄い勢いで昆虫達…地上における生物達が数を減らして居るとの話をネット上で見た事が有ります。
事実で有れば我々人間界においても由々しき事態と思います。
…バタフライエフェクトってやつですかね。