ダンヒルライターを修理しました

物は長年使っていないといろいろなところで不具合が出てきます。
このダンヒルもガスを入れてもすぐになくなってしまうので、ガスを出す調整の部分か、Оリングがダメになっている可能性があります。
「また新しく買えばいい」と思う人もいるでしょう。
でも、自分は気に入ったものを長く使う。
修理しながら使う。
捨てない。
この3点を大切にして、いい物を長く使うことにしています。
たとえ、買う時には廉価品の10倍の値札が付いていても10倍長く使えば元が取れます。
それに、いい物はいい。高いだけの理由があります。物がいいし、長期間の使用に耐えます。
所有しているだけで、いい気持ちになります。
そんなわけで、このライターは子供、孫の代まで使ってもらうつもりで修理したいのです。
今の時代は、便利だからネットで検索すれば分解方法も動画で解説してくれます。
もちろん自己責任においての分解です。
何かあっても事故の責任は自己責任ですね。
分解したときに交換するパーツも揃えました。
シリコングリスもあります。
ついでにバラバラにしたパーツをきれいにして使いたいのですが、ネットによるとメガネの洗浄器が一番いいらしいですが、そこまで準備できないので着火に関係のある所は、念入りにやります。
分解掃除・調整に必要なパーツ

・オーリング
・シリコングリス(可動部に塗布します)
・フリント(火打石。ダンヒル社のもの)
・ガス(補充用。ダンヒル社のもの)
ネットの情報によれば、ZIPPO のフリントは、硬いので、ライター側のやすりを痛める可能性があるらしいです。フリントは一粒100円位で購入可能です。

分解掃除・調整に必要な道具
・小さいねじ回し(眼鏡用)
・マイナスドライバー(幅が7~8mm)
(動画ではプライヤーの柄を使っていました。)
・シルバークロス(銀製品を磨くための布)
・ピカール(金属磨き)
・綿棒
・トレイ(部品をなくさないためのもの)
・ウエットティッシュ
・手袋(宝石店の店員がしている。)
・カメラ(記録用。携帯でもOK)
分解前に気をつけること
①部品を紛失しないように注意します。
ライターの中にはコバエよりも小さいパーツが入っているとのこと。
それに小さいバネが組み込まれているため、弾きとばしたら大変。
たぶん見つかりません。
バネが入っているところは、特に慎重に作業をします。
万が一、はじけとんでもいいように、工夫して作業をします。
落ちて転がらないように、タオルなどをしいて作業をするとよいでしょう。
②ガスの残りがないように、ガス抜きをしてから分解します。
少し残っていても、引火します。
調整ができていないライターですから、一気に噴き出してきて大やけどにもなりかねません。
③自分の所有のものを分解します。
もし、パーツをなくしたり、破損させてしまったりしたら大変。
他人のライターなら、弁償するにも半端なく高額です。
いざ、分解開始
暗いとやりにくいので、明かりが必要でした。
①ガス補給口を外す

まず、底にあるふたを外します。
指で押しながら、左に回すと出てきます。
外しても落ちない様な仕組みになっているのはすばらしい。
②補給口部分を外す

ここはマイナスドライバーでは開きません。
7~8mmの工具が必要でした。
固いので、溝をなめないように注意して、左に回していきます。
③燃料調節口を外す

小さいマイナスドライバーで外します。
中に小さなスプリングがあります。
④ふたを外す


まずレバーを向こう側に押してフリントをとります。
細い工具(時計用の極小マイナスドライバー)と、プラハンマーで外します。
固定する棒には、細い方があるのでそちらを叩いていきます。
(火力調整ネジのないほう)
取り付けの時には火力調節ネジの側から細い方を入れていきます。
※写真のバネががとび出さないように注意します。
開閉装置のこのばねは、ショックアブソーバーのような仕組みで、強いスプリングが入っていました。
動画では、このスプリングを外してからこのピンを抜いていましたが、先にピンを抜いたほうが、簡単でした。
組み立てる時にも、先にピンをつけてから、スプリングをはめ込む方がやりやすいと思いました。
⑤2本の小さなネジを外す

2本のねじを外すと着火ローラーも外れます。
メガネ調整用のマイナスドライバーで、外せます。
ローラーの中にあるスプリングをなくさないように注意しました。
ローラーをはじめ、各パーツは、浸潤潤滑スプレーをして、汚れを浮き出させました。
⑥燃料噴出口を外す

燃料噴出部は、下から外れます。
まわりには金属のガードがついています。
燃料噴出部を更に分解し、中にあるスプリングを掃除しました。
Оリングには、シリコングリスをぬります。(ガス漏れ防止および、劣化防止のため)
スプリングの奥にボールペンの先よりも小さなゴムのパーツが入っています。
それがダメになっていないかどうかをチェックします。
ダメだったら、小さなゴムも補充します。(Оリングと一緒にセットで入っていました)

金属のガードは、緑色に変わっていました。
金属磨きで、ピカピカにしました。


もちろん、外側も内側も磨きました。

あとは分解したのと逆の順番で組み立てていきます。

できました。
しかし、一度目はグリスの塗布とネジの締め付けが甘かったようで、ガスを注入したらシューシューと、もれたので、再びばらして組み立てをやり直しています。

見事、輝きを増し、丁度良い火の大きさで、組み立て完了です。
終わりに
初めての試みでしたが、うまくできているかどうかは、何日か経ってみなければわかりません。
でも、構造がわかったので、修理も出来るし、ジャンク品を買って自分の納得できるところまで、点検する事も出来そうです。
壊れている安いのを買って、ニコイチにして売ったらいい稼ぎになりそうですが、何より壊れて使えなかったものが生き返ったのがうれしいです。
何ごとも経験ですね。
何より、気持ちがよいです。ピカピカして。
充填用のガスは、市販のものでも使うことはできます。中古のダンヒルならこんなものでいいかと思いますが、新品を買ったら、やはりフリントもガスもダンヒルの方が無難でしょう。
モノを大切にする心…忙しい現代に失われたもののひとつですね。
海外の動画でサビサビに腐食してオブジェと化してるジッポなどを修繕する動画も転がってますが、凄く感心します。
酸や電解分離やサンドブラストで腐食部分を取り除くので素人には無理ですが、勉強に成ります。
ZIPPOも凝ったらはまりそうですね。
なるべく近寄らないようにしていますが。スターリングシルバーのZIPPOは、気になります。
BLACK EYEさんも持っていますか?ZIPPO
以前は持ってましたが、人にあげたり失くしたりしました(笑)
そのうちジッポの呪いが私に降りかかる事でしょう。
ジッポの神様…ごめんなさい。
m(_ _)m
https://youtu.be/TA8bT-fe-ow
貴重な映像かもしれません。