イギリス車の精神 徳大寺有恒に学ぶ

今、葉巻をくわえてパソコンに向かっている。
というのは、何日か前、自動車評論家の徳大寺氏の本を引っ張り出してきて、ぱらぱらとめくって読んだことがきっかけだった。
自分の理想とする生き方、男の道が示されていて、徳大寺氏の考え方と自分の考えが似通っていると思ったから、またじっくり読みながら原稿を書いている。

氏の言う男らしさは、まさにダンディズム。上品で、紳士で、奥底で強靭な意思を持ち、信念を貫くためには、一人でも戦い抜く信念。ジョナサンジョースターを思わせる。
ジョナサンが戦っていて、相手の英雄の戦士がだんだんに人間性と誇りを取り戻して美しく散っていくシーンはまさにダンディズム。誇りが人間にとって最も大切なものだということを伝えてくれる。

英国車に乗っていても、まさに同じような感覚である。
暑い、揺れる、寒い、壊れる。
乗っていて、窮屈だったり面倒なことばかりが起きる。
でも、平気な顔で、ドライビングするこの感じ。
最高にイギリスの精神を受け継ぐやり方だと思う。

小雨が降っているときに、オープンで走っていると、わが国では怪訝そうな顔で見られることが常だが、走っていればそれほど濡れないし、足元はヒーターで温かいから、キャップでもかぶっていれば平気なのである。中には、モーガンに乗って、止まったら傘をさすなんていうツワモノもいるらしい。

かつての英国のダンディーたちがお金よりも重きを置いたことこそ、現代にも必要な要目であると思う。服装や靴やネクタイ、葉巻にワインなどどれも洗練されたものに昇華させてくれたのが、ダンディーであった。

もともと貴族が、普段贅沢の限りを尽くして、働かないでぶらぶらしていられたのは、いざ戦争が起こった時に真っ先に戦場へ駆けつけるという暗黙の了解があったからである。
「ノブレスオブリージュ」というわたしの好きな言葉はココからきている。

言語はフランス語で noblesse oblige
直訳すると 高貴さは(義務を)強制する
ということで、かみ砕いていうと、最近では

「富裕層、有名人、権力者、高学歴者が、社会の模範となるようにふるまうべきだ」

という社会的責任。
でも、どんな人でもそのようにふるまわないとだめでしょ。と思う。
自分は貴族でも権力者でもないけど、そのようにしたい。
常に、ノブレス。(二プレスじゃないよ)

ジャガー

徳大寺氏は英国のものは、服でもクルマでも野暮ったいが、着る人や乗る人によって、光り輝くのだという。立派な人格を持ったものが身につけたり操ったりすることで、それらのものは完成し光を放つということだ。

そういった意味で、英国人は個人の成熟に価値を置いているのだともいえる。
わたしが、以前乗っていたディムラ―W6も、まだ40代のわたしには、早すぎた。
クルマに負けてしまっていた。これが白髪頭になった紳士が運転していたら、さぞかしいい姿だろうなあと思う。

レンジローバークラシックも、自分にはまだ早すぎたと思うが、乗ってみてどちらのクルマも本当の意味での高級を味わうことができたと思う。

クルマとしての出来は、メルセデスやBMWには後塵を拝すが、乗り心地や、落ち着いた感じは、負けていなかった。飛ばして競争しようという気にはならないのだ。

ひどい運転で、クルマを止めさせ、暴力に及んだ人は、確かイイ外車に乗っていた。あれがジャグアーや、ベントリー、レンジローバーだったらそんなことはしないはず。

間違ったベクトルで物の価値を判断し、自分の価値をもしっかり理解できない成金があのような行為に及ぶ。未熟なかわいそうな人だったと思う。

ダンディーは、決して弱い者いじめはしない。
ダンディーは、卑怯な真似もしない。
むしろ勝てないような相手に立ち向かっていくのである。

金の使い方にも言える。使い方が問題なのだと思う。

人にご馳走するのはいい使い方だと思うが、いつもそれでは、おごられる側が窮屈になってしまう。
時と場合によって、微妙に相手の心を察知し、互いに気持ちのいいように振舞うのがいい。
この匙加減が難しく、年季が必要だ。

貯金をするのは、いいことだと思われているが、これも使い方次第で、いい貯金とそうでないのがあると思う。建て売りの家を買うのに貯金をするのは、結局自分たちのためだから、よくない貯金。
チマチマしていてものすごくカッコ悪い。こういう人はいざという時に、誰も助けずに自分だけ上手に逃げるような気がするが、偏見だろうか。

人に何か喜びを与えるようなもののために貯金するのは、いい貯金。たとえば、飲食店を開くとか、過疎地域に医院を開くとか。

恋愛についても、途中で逃げ出してしまうような人とは、付き合わないほうがよい。何年か一緒にいて、この人と一緒でよかったと思うような相手といっしょになりたいし、もちろん努力も続けないとそうはならないだろう。
美醜よりも男は、そこの部分で魅力を感じさせなくてはいけないと思う。

クルマについての文章も秀逸だが、人生についても深く語っている徳大寺有恒氏の著作をぜひ、読んでほしいと思う。

イギリス車の精神 徳大寺有恒に学ぶ” に対して1件のコメントがあります。

  1. BLACK EYE より:

    「ジョジョ…人間ってのは能力に限界が有るな…人間を超えるモノにならなければな…

    …俺は人間を辞めてダンディーになるぞ!

    ジョジョォーーーーーッ!!!!」

    …それにしても徳大寺さんて…悪く言うとふてぶてしくて悪代官の様なずっしり感が有るのだけど、バッサリ、ズバズバ行けてしまうニヒルな感じがして…今思えばやっぱり凄い人なんだなぁ…

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